DVと被害者の心のケア
こんにちは!
今回のテーマは、DV被害に遭っていたその後の心の問題を見ていきましょう。
DV被害から逃れられた事ももちろん大事であり、暴力から逃げることが出来たことはこれからの新しい道が開ける一歩となっていくと思いますが、DV被害で逃げ出せた事よりもその後の方が大事だと思うのです。
被害の程度や加害者から支配されていた期間の生活の様子でも変わっていきます。
これでやっとDVから逃げ出せた!とほっとして、仕事や子供との新生活に踏み出せる喜びを感じている方もいれば、DV夫がしつこく付きまといを繰り返して、いつまでもDV夫の影におびえている方や、DVの恐怖を思い出してしまう方もいる事でしょう。
DVの後遺症
DVは後々まで心に深い傷を残します。暴力の程度、暴力を振るわれた恐怖感、支配され従わざる得ない恐怖。これらの頭に入り込んでしまった思いはそう簡単には消えません。身体のケガは日数が経過していけば治癒します。でも精神的な心の傷は、いつまでも被害者を苦しめていきます。
- 脳裏から離れない振るわれた暴力の様子に恐怖が蘇ってくる
- 涙が出てくる
- 外出中にばったりと夫と出会うのではないかと不安で外に出れない
- 逃げても見つかって連れ戻されてしまう心配
- 連れ戻されたらどんな仕打ちをされるのか怖い
- 置いて来てしまった子供の事が心配
- これからの生活が心配
- 加害者から言われたことやされたことが頭から離れない
- 夜眠れない
- テレビを見ていて暴力的なシーンが出てきたら思い出してしまい、とてもテレビを見れない
この様な症状が出てくる場合があります。PTSD(精神的ストレス障害)と言います。
DV被害者の方はみんなこのような精神状態になると断言は出来ませんが、自分の置かれていた生活が過酷ならば無理もありません!暴力を振るい人を従わせているのです。自分のいう事に従わせる一つの手段として、時には殴ったり、暴言を定期的に浴びせ、逃げ出さないように頭を押さえつけたりを繰り返し行います。
加害者は相手に悪い事をしている感覚はなく、振るった暴力すら日常の雑務の一環として日々忘れていっています。
しかし被害者は毎日が戦場なのです。どこに埋まっているか分からない地雷が爆発しないよう、神経を張り詰めて生活を送っています。地雷を踏んでしまうと、暴言や暴力が始まります。
PTSDはどうしたらいいの?
症状が重いようならカウンセラーの元へ行き、しっかりと治療したほうがいいでしょう。震災に遭った方やDVによる虐待の経験がある方もPTSDを発症する場合もあり、しっかりとした心のケアが求められます。
虐待されていた子供へのケアは触れ合いが大事と言います。手や体の触れ合い、心を寄せた触れ合いでしょう。子供は触れ合いで安心や安全を感じます。心の安心ですね。なので手を繋いだり、抱っこしたり、膝の上に座っての絵本の読み聞かせは子供の心の触れ合いなのです。
一緒に生活している家族の理解も必要。早く働きに出ろ!と言ってもPTSDは早期には治りません。心に負った傷はそう簡単には消えない、治らないのです。
出来ることをしましょう。焦って仕事に出ても大丈夫な方はいいですが、無理ならばしばらくは自分が出来ることに専念してもいいのでは?
ちなみに私の場合は、DVから逃れた後もPTSDは続きました。辛かったです!とにかく日常生活がままならないのです。夜は眠れない。寝れるのは明け方頃なので、お昼頃起きてご飯も食べているような食べていないような。ふと気が付くと泣いている。一旦泣きだすとずっと泣いている。子供が心配で身を切られるような精神状態。もちろん夫にばったり出会うのではと思うと怖くて外出が出来ない。言われた暴言やされた暴力が思い出されて何も出来ない。
この様な状態がしばらく続きました。普段の生活さえ満足に送れない「なんにも出来ないダメな自分」と思い、また落ち込んでしまうという精神面も不安定でした。
まずは普通の生活が送れる事を目標にして、まずは夜の睡眠の改善に努めました。すぐには治りませんから、昼間は眠くても寝ないようにしました。そうしたら少しずつ、夜寝れるようになっていきました。
後は今まで出来なかった事に積極的に取り組みました。読書、散歩、お菓子作りなど、何気ない事でも「やりたい事を自由に出来る喜び」を感じて、暴言を言われない安心と、暴力はもう振るわれないという身の安全を得られた解放感を実感して、だんだん出来ることも増えていきました。暴力による支配、行動をコントロールされていた生活は終わったんだ!と。
恐怖感や、辛かったDVを思い出してしまう事もありましたが、生活を整えるようにしてとにかく食べていかないといけませんから、PTSDを抱えてはいましたが、仕事を見つけて経済的な安定を計りました。
まとめ
回復する期間も比較的短期で治っていく方や、長期に渡って続いている方もいて苦しいと思います。出来ない事があっても、仕方ない!今出来ることをしようよ!それでいいと思うのです。仕事もきつければ短時間の仕事でもいいと思います。出来るようになったらまた考えればいい!
私は完璧主義だったので出来ないからかえって落ち込んでしまったりしていました。子育て仕事と家事の両立。どうしても完璧を求めてしまう自分!でも、もう完璧でいる必要はないのです。今日出来なかった家事は明日に回してもいいんだという事に気が付いて、気持ちにもゆとりが出来ました。
精神的にも辛かった経験をして、一杯沢山得ることが出来た事にも感謝です!今度は自分が学んだことを社会に還元していこうと思っています。
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